精麻の大幣を作成しました【招福師 煌明院綾乃】

以前から気になっていた精麻の大幣。
知人の講習会に参加する機会があったので作成してきました。
神事には欠かせない精麻。
伊勢神宮のお札も「伊勢大麻」と呼ばれていますし、精麻には天照大御神様のご神氣が宿るとも言われています。
お祓いに使用する大幣にも精麻は使用されていますし、御神殿のしめ縄にも使用されています。
お祓い用の大幣は和紙の場合が多いですが、本当はすべて精麻のものが良いとされています。
今回、作成してきたものは、オール精麻です。先端の止めのところの和紙も麻の和紙です。自分と関係の深い神社様へ奉納すれば大変喜ばれるお品ということです。私は自分で自分を祓うため、手元に置くことにしました。なので、飾りに茜染の精麻で叶結びと鈴をつけました。奉納する場合は、この飾りは不要です。氏神様や産土様に奉納すると喜んでいただけますよ、とのことでした。
毎日、精麻に触れていると浄化されるような気がいたしますし、なんだかツイテいるような気もいたしますよ。
これは台を含め40センチくらいあります。(栃木県野州産の精麻を使用しています)
お時間をいただければ作成することも可能です。精麻をたくさん使用するので作成するには、まず精麻の仕入れからになるのでお時間はいただくようになります。価格等は要相談、お問合せよりご連絡くださいね。
大麻草の皮からとれる靱皮を研ぎ澄まし、輝くばかりの繊維のことです。
神道ではこの繊維こそが清めの本質として古より使用されています。
祓いには水で清める禊があります。(神社の入り口にある手水舎は禊の簡易な形で神前に伺うために清めましょうというものになります。)
より強い清めが必要な場合は海水が用いられていました。現在の塩で祓うという習慣はここから来ています。
水でも塩でも祓えないものを祓うのが精麻になります。
精麻は神事の際に神主さんが振る大麻(おおぬさ)に結ばれています。現代での祓いは神主さんが大麻を振りますが、この作法は後代に出来た作法なのだそうです。
もともとの作法では」「精麻に触れ引きなでることで清められる」と考えられていました。ですから、精麻を引き寄せて撫でるということが古での祓いだったようです。
精麻だったら何でもよいというわけではありません。精麻の輝きの光があるほど浄化の力が強いと考えられているそうですから、日本で昔からの方法で丁寧に作成された国産精麻が珍重されているのでしょう。